ハイチに展開した国連部隊が、深刻なコレラ流行を引き起こしたとして、遺族らは国連を相手取りニューヨークの米連邦地裁に集団提訴した。(10月9日)
100年近くコレラ患者が発生していないというハイチに、コレラ感染が広がったのは2010年の10月中旬以降。
国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)のネパール部隊が到着してから数日後に、ハイチ中部ミルバレ近郊にコレラが発生し急速に拡大したことから、当初よりその関連性が疑われていた。
「関係は明らか」「アルティボニト川」「ウルフをやり過ごしたらその先にライオン」
仏政府が派遣した調査団の調査により、ネパール部隊の宿営地からの汚水が主要河川であるアルティボニト川に流れ込んだのが原因と判明。後の検体DNA調査でも、南米でみられる分離株との類似性は弱いことが判明したことから、外部から持ち込まれたものである事が裏付けられている。
これを受け、米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and Prevention)は、コレラは平和維持部隊のネパール軍兵士が持ち込んだものだと結論付けた調査報告を、2011年に発表している。
ハイチ大地震の復興のための国連ハイチ安定化派遣団が、コレラを蔓延させ、かえって死亡者を増やす結果となってしまったかたちだ。
「弱った者をさらに棒で叩く仕打ち」「集団提訴の対応」「潘基文」
今回の集団提訴を受け、ファルハン・ハク報道官はCNNの取材に対し「国連に対して起こされた訴訟に対するコメントはしない」と述べたという。
また以前、現職の国連事務総長である潘基文(Ban Ki-moon)は、「国連は国際条約により免責が認められているため、ハイチのコレラ被害者に対する補償請求は受け入れられない」と述べており、道義的責任追求に今後どのように対応していくか、注目が集まる。
参考リンク、写真:
ハイチのコレラ流行で遺族らが国連提訴、PKOが感染源と主張
www.cnn.co.jp
首都でのコレラ感染を確認-ハイチ
http://jp.wsj.com/layout/set/article/content/view/full/139005(削除済)
ハイチのコレラ拡大、国連のネパール部隊が原因 米報告書
www.afpbb.com
ハイチコレラ 感染源はネパール部隊
huhcanitbetrue.blogspot.jp