骸骨

ネオサイタマで「選別」開始!?電力自由化が推進する石炭発電

電力・ガス・石油の大手による主導権争いが活発になってきている。

電力自由化と石炭発電

電力の売上高5位の九州電力が首都圏の事業拡大に向けて、ガス1位の東京ガスと石油2位の出光興産を加えた3社連合で発電事業に乗り出す。最先端の石炭火力発電所を東京電力のガス火力発電所の隣に建設する大胆な計画だ。

「電力自由化」「クリーン(従来比)」「小豆を入れて炊けばご飯も赤くなる」

東京湾を挟んで首都ネオサイタマをにらむ千葉県袖ケ浦市に建設予定の石炭火力発電所は、原子力発電所2基に相当する電力を生み出す予定だ。

日本の石炭火力発電の技術は高く、SOxやNOxの排出量は抑えられてはいるが、それでもCO2排出量はガス発電を大きく上回り、水銀や亜鉛といった重金属を含んだフライアッシュの問題も抱えている。

石炭に「クリーン」というイメージを載せて、既存エネルギーに代替させる理由は、そのコストだろう。

1kWh(キロワット時)の電力を作るのに必要な燃料費は石炭が約5円で、LNGの約10円の半分程度と実際安い。

当然、その浮いた分の「コスト」は、環境負荷や健康被害という形で跳ね返ってくるおそれがある。

「PM2.5」「重金属酸性雨」「ジャカルタ48」

「クリーン石炭火力発電」の販売も余念がない。

もちろん、石炭火力発電のメリットもある。

すでに石炭発電の盛んな地域での海外進出は、日本製の高性能な石炭発電を導入する事で環境面でもプラスになるwin-winの関係をもたらす可能性もある。

「世論とかが厳しい」「バイオ桜で花見」「ビョウキ・トシヨリ・ヨロシサン」

国内でも、電力自由化が正しく機能すれば一概に害悪とも言い切れない。

発電コストの低下は、電気代の値下げといった最終消費者へのメリットに繋がる可能性もある。

重金属酸性雨に耐性をもつバイオ米バイオ水牛など、農畜産物の品種改良も長期的なビジネスチャンスと見るべきだ。

日本は今後12年間で43ヶ所の石炭火力発電所を建設予定としている。

もし計画通り40年間稼働した場合、少なくとも毎年1万人の若年死亡者が出るとも言われており、ただでさえ進行している少子高齢化社会に拍車をかけるかも知れない。

電力不足に苦慮する中国が石炭発電に頼り、PM2.5を撒き散らして国内にまで飛散している問題でも分かるように、大気汚染の本質的な問題は、コストを生み出す側と負担する側の非対称にある。

電力自由化 問題点

国境を超えた環境問題や健康被害コストの押し付け合いを調停するのは、ガイオン元老院を政治的にまとめ上げるに等しく難しい。

ただひとつ言えるのは、メガコーポの重役休憩ルームめいた、空気清浄機能が行き届いた環境に住める地位のある人間、もしくは強い重金属耐性のついたモータルが、今後の日本を生き残るだろう。

それが自然の摂理なのである。


[参考URL]
石炭火力発電所 環境省が建設容認の意見提出 | NHKニュース
www3.nhk.or.jp/news/html/20160528/k10010538111000.html(※削除済)

東京ガス+九州電力+出光の3社連合、首都圏に石炭火力発電所を建設へ
smartenergy.ismedia.jp

「日本だけ石炭火力発電所を増設」の謎 | ハーバービジネスオンライン
hbol.jp

石炭火力は安全なの? – アゴラ
agora-web.jp

世界中の電気の4割を担う石炭火力発電 | もっと知ってほしい石炭火力発電 | J-POWER(電源開発株式会社)
www.jpower.co.jp


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